HASHIMOTO KAZUMUNE
橋本 和宗 講師
主な研究
ネットワーク化制御システムにおける通信リソースに配慮した制御系設計及び学習 など
髙井研究室在籍期間
2022年~
趣味/資格
スタバとお刺身とかき氷と旅行が好き。
私の研究紹介
ロボットやドローン、自動車など、様々な物理システムを情報システムで自律的に管理し制御するシステムを、サイバーフィジカルシステム(CPS: Cyber Physical System)と言います。CPSが使われている例としては、ドローンやロボットの制御、自動運転、化学・電力プラントの制御など様々あります。私はCPSを賢く自律的に制御するための枠組みを、制御工学や機械学習、理論計算機科学など様々な分野を駆使して開発しています。
●制御工学
ロボットやドローンなどのモノを、我々の思い通りに動かすための仕組みを作る学問です。
●機械学習
制御工学の分野では、一般的に物理システムの数学的なモデル(例えば運動方程式)を作り、そのモデルを使って具体的な制御の仕方を考えます。しかし、構築した数学的モデルは、現実のシステムに本当にあっているかどうかはわかりません。そこで登場するのが機械学習です。機械学習では現実世界から得られるデータをもとにシミュレーションを行い、現実のシステムにできるだけ近づくようにモデルを洗練させていきます。
●計算機科学
例えば自動運転では「車線を変更する」「前方車に追従する」「追い越す」といった様々なタスクが存在します。そのようなタスクを上手く記述する便利な方法として、計算機科学の分野で開発された手法が役に立ちます。
私が髙井研究室を志した理由・動機
大学院を修了して就職した後、「やはり研究を続けたい」と大学へ戻ることを決意しました。まず、学部生・大学院を過ごした母校で助教を務めた後、日本学術振興会の特別研究員に。留学時代を過ごした大学にも学びに行き、その後、大阪大学で特任研究員・特任助教として研究を続けてきました。髙井先生とは、具体的な研究内容は異なりますが、根底に流れる考え方などは似ています。学会でお会いしたり、学内で交流することもあり、またその中で自由と自主性をモットーとされる髙井研究室に魅力を感じるようになり、2022年よりこちらで研究を続けることを決めました。
研究での思い出深いエピソード
私の研究人生で最大の転機となったのは、海外留学です。修士の時にダブルディグリープログラムに参加し、スウェーデン王立工科大学に1年半在学。修士号を取得しました。その場所で、世界的にも有名な先生やポスドク、ドクター、修士学生らと共に最先端の研究を学び、朝から晩まで切磋琢磨して研究を行いました。また、制御工学における最先端の研究を学び、研究の楽しさを実感することもできました。この留学経験は、今のアカデミアとしての人生の大きな基盤となっていると思います。留学経験が無ければ、研究者としての道を歩まなかったと思います。
将来の目標・夢・野望について
私が専門としている制御工学や機械学習は、あらゆる業界や産業で使えます。現在その適用例として自律型ロボットや自動運転等を考えています。将来は自然現象といった、もっと大規模かつ複雑な対象にも適用することを目標に掲げています。例えば現在走っているプロジェクトに「気象制御」があります。これは台風のように大規模な対象を制御することで、その進路を変えようという壮大なプロジェクト。そのほかにも、河川の氾濫やパンデミックといった災害や生体現象に対する制御手法の構築も検討しています。
髙井研究室の雰囲気
「インテリジェントシステム領域」の研究は、様々な業界や産業で使えるとお話ししました。そのため、研究員が企業と協力して進めているプロジェクトもあります。もちろん、自分の探究心に従って、コツコツと研究しているメンバーもいます。基本は、それぞれの自主性に任せているので「マイペース」というのが全体の雰囲気かもしれません。といっても研究室がバラバラというわけではなく、メンバー同士の仲は良く、私や髙井先生もマンツーマンで指導をするので、それぞれの距離は近いですね。コロナ禍で飲み会などの交流は減りましたが、今後は状況を見て復活させていく予定です。
髙井研究室の推しポイント
自由であることは大きなポイントだと思います。研究の進め方は、自分で決めて、自分がやりやすいように選べます。PCがあれば研究ができるので、自宅だけで完結させることも可能です。「自由」はそういう意味だけではありません。様々な業界や産業に応用が利く研究なので、やれることや研究のテーマも無限大にあります。つまり、打ち込む研究内容も「自由」なのです。自分が興味を持ったもの、専門性を発揮できるものを見つければ、とことん打ち込める。夢中になれる。そんな可能性のある研究室だと言えます。
未来の後輩へ メッセージ
3年生までは「授業を履修し、先生からこれまで先人たちが考えてきた既存の専門知識を教えられ、答えが必ず存在する問題を試験で解く」ということが当たり前だと思います。
ですが、研究はそうではありません。
自分の力で論文を調査して知識を身に付け、答えが存在するかどうかも分からない状況で新しい手法が作れないかを試行錯誤していきます。そのために、日ごろから授業だけでなく自分自身で積極的に調べ、興味があるものを学んでいくという姿勢が必要になります。この姿勢がないと、4年生や修士になってから大変苦労します。
また、ほかの人を巻き込んで一緒に勉強していくという姿勢も重要です。一人きりの勉強だと分からないことが出てきたときに、相談できる人がいません。さらに、複数人で互いにディスカッションしていくことで理解も深まります。ぜひ仲間やライバルを見つけて、充実した研究の日々を送ってください!
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